日本の不良文化とヒップホップ
Jan 03,2019 | Luna Ma
福田雄一脚本・演出のドラマ「今日から俺は!!」(日本テレビ系)は最近爆発的な人気を博しています。累計発行部数4000万部を超える西森博之の青春不良コメディー漫画が原作であり、いわゆるヤンキーたちによる学園物語です。
主人公、三橋(賀来賢人)と伊藤(伊藤健太郎)が見せた男同士の絆
最強の主人公賀来と伊藤は、なんと地毛で原作を完全再現、理子の“聖子ちゃんヘア”、京子の“明菜ヘア”の80年代を感じさせる髪形と合わせ、原作漫画の世界観を見事によみがえら、多くの視聴者に共鳴感をもたらしました。
京子と明美のヤンキー座り!
ドラマの中、不良の登場人物が80年代の独特な変形学生服を着こなし、京子と明美は制服のスカートをロングにしたいわゆる「スケ番」スタイルが流行していました。「ヤンキー」「ヒップホップヤンキー」といった和製英語もこの時期に定着するようになりました。
実は、日本不良文化は、アメリカ文化に大いに影響を受け、その中に言及しなければならないのはヒップホップと言えるのでしょう。90年代に入り、ヒップホップカルチャーに影響され、チーマーと呼ばれる集団が存在し、アメカジ、エンジニアブーツなどストリートファッションが流行るようになりました。ルーズなTシャツとワイトパンツ、大げさなキューバンチェーンを着けるなどいわゆる「B系」ファッションが不良文化の中心になりました。
日本人ラッパーには元不良が多い?
ヒップホップ、ラップ=不良文化ではありません。ただ、ラップと不良文化の相性がいいことは間違いないでしょう。HIP HOPでいまもっとも勢いがあるといわれる、神奈川県川崎市のレペゼン池上町、BAD HOPを紹介しましょう。
BAD HOPは川崎区池上町の出身が多く、川崎は、大きく北部と南部で別れていて南部は工業地帯が多く、治安が悪い地域と言えるでしょう。ほとんどのメンバーは少年院の経験者ともいわれています。
しかしながら、BAD HOPは悪さ自慢や不幸の自慢ではなく、ただの日常を当たり前のように歌っています。世間から見れば、アウトローな街で育ってきたBAD HOPだからこそ書ける歌詞だと思われます。彼らの歌詞は川崎の現状を伝えるのみならず、日本が抱える貧困や移民、多文化共生の問題を映し出す鏡になっているようにも見えます。スラム街出身のラッパーが、自らの立ち上がりを歌詞にする……というのは、アメリカのラップには多くあるイメージだが、やはりラップはその種の表現に適した音楽なのでしょうか。
ヒップホップ的な生き方、不良文化と共通的な精神がある
ヒップホップ的な生き方は不良文化と同じ、長いものにまかれず、周りに流されず、自分の個性を大事にし、それを誇りに思うこと。その中にB−BOYのスタンスもあります。
やはり日本のヒップホップはヤンキー感と切り離せません。不良として育ってきた人こそ、自分の育ってきた環境を大事にし、そこに育った自分でいられるでしょう。なので、不良的なイメージを押し出し、不良的スタンスで戦えます。
確かにヒップホップはある意味で不良もしくは反体制の文化であるが、だからといって不良でなければいけないことは全くありません。黒人らしくするのがヒップホップではなく、自分らしくいるのがヒップホップです。平和、自由、平等、それが根底にあるということを忘れてはいけないでしょう!
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